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【受講生募集】夏季特別講座ピックアップ!vol.3「超写実 ! 自分の限界描写にチャレンジ !」

2018年7月23日

夏季特別講座ピックアップ!vol.3

8月のお盆から下旬にかけて毎年開催される「夏季特別講座」。
その中からいくつか講座をピックアップして、ご紹介します。

白色による下描画の様子

今回ご紹介するのは
『1. 【特別】超写実 ! 自分の限界描写にチャレンジ !』日程:8月12日(日)~13日(月)です。

テンペラ画家、山田啓貴先生による細密画講座


山田先生の作品

この講座は、細密描写を徹底的に極めるための講座です。

写実描写において、全体感を捉えることが重要視されますが、山田先生は、本当にそうなのかと疑問を投げかけています。

『細部だけを描いていって何が起きるのか!どこまで描くことができるかを求め、各自のペースで集中して描き込みます。早く終わってしまいました。。。ということはありません。講座時間では足りないはずなんです。後半は「もっとここ描き込めます!」という話が多くなると思います。』(山田先生)

詳しい授業内容について、山田先生に伺ってみました。

――簡単に授業の流れをお願いします。

はじめに、対象の観察と
セッティングにはすこし時間をかけます。
描き込みはじめてから動かすことが難しくなるからです。下地、下描きの方法、インプリミトゥーラ(有色下地)と前処理までで初日の午前中を費やします。
午後からはひたすらに描き込みです。
解説を交えながら実演して、具体的に例を示して説明をします。講師はテンペラと油彩の混合技法で絵をすすめます。ルネサンスの頃の油彩技法に沿った内容となります


以前行われた山田先生による人物画講座で、先生自身が授業内で描かれたもの


顔の部分をクローズアップ!

――今回の授業のポイントを。
有色の下地(インプリミトゥーラ)の上に、白色で下描画を行い、透明色で色を付け(グレーズ)、重層的な効果を利用して描いていきます。
グレーズ用に、透明感のある色をご用意ください。

以前行われた山田先生による人物デッサン基礎講座で、先生自身が授業内で描かれたもの

――細密描写の楽しいところはどんなところですか?

『細部に神が宿る。』とよく耳にします。
実物感、リアリティーがある表現とは何か。
これはうまさではありません。各自が持っている実体験にどれだけ近づけるかが鍵となりそうです。モデル(モチーフ)選びを楽しんでください。昔使っていたお気に入りの、今は度が合わなくなった眼鏡。なんとも美味しそうでヘタの切り口もきれいな取れたての茄子。思い入れはなんでもかまいません。
思い入れがあるから、もっともっと!と、描きたくなる。それが一番の楽しみですね。


生徒によるテンペラ画、制作途中の様子

――最後に一言どうぞ。
背景を悩むことが多いです。考えておいてください。

――ありがとうございました!

細密描写にはモチーフに対する「思い入れ」が大切だということがよくわかりました。

モチーフをお持ちにならなくても、スクールでは果物などのモチーフをご用意しますので安心です。山田先生と相談しながら一緒に選びます。

なお、水彩、アクリル、鉛筆、色鉛筆などでの制作も可能です。

特に、鉛筆の方は2h-6hなどの硬めの鉛筆を、
色鉛筆の方は、ホルベインの白op500 op501の2本持参を推奨とのことです。

ご不明点は、上野の森アートスクール(TEL.03-5817-2810)まで、お問い合わせください。