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出射茂先生にインタビュー【作品を生み出していく上で必要なキソを…】

7月31日

出射先生には、昨年の夏季特別講座から「出射の水彩・キソの基礎」という水彩講座をご提案いただいております。

「出射の水彩」って?!(特別な水彩技法?!)
「キソの基礎」って?!(なぜカタカナ?!)

その謎を解明すべく、出射先生にインタビューしてみました!


出射茂先生による授業風景

正しいけれど弱い描き出しよりも、コントラストや色の表情の豊かさを感じられる強い描き出しを覚えると、その後の絵画人生がより自由で活発なものになります

──出射の水彩・キソの基礎は、今回で2回目ですね。今回は人物を描きます。授業の流れを教えてください。
最初の20分ポーズを使い、私がデモンストレーション(実演)することから初めます。
水彩画といえば、ぼかし、にじみで濃淡をつけて描くイメージだと思いますが、その手法、濃淡をどうするのかを交えつつ、私がみなさんにお伝えしたい「水彩画」を披露します。人物の形に対するアプローチの仕方、形の決め方もお伝えします。


出射茂先生による水彩画作品

──出射先生のおっしゃっている“キソ”が気になります。前回の講座でも、“キソ”とは正しい形を捉える描き方ではない「表現の基礎」であり、水彩特有の「美しさの基礎」と伺いました。それについて詳しく教えてください。
キソは正しく描くことではないと考えています。
感じたこと(やってみようと)思ったことを素直にハッキリ描いてみること、それが表現として成立するのかどうかを確認し、進行させられること──それが「表現のキソ」と考えています。
水彩特有の「美しさの基礎」は、水の力による絵の具の変化(発色・にじみ・ぼかし)を使って表現することです。

──にじみ、ぼかしを使うのですね。「出射の水彩」と銘打ってますので、何か特別な手法かと思いましたが‥‥
「出射の水彩」とは にじみ や ぼかし のテクニックのことは指していないです。
水彩は水を含ませて絵の具を溶き、色を重ねて進行させますね。しかし、ともすれば形を出す(描く)ことや色を決定することを先延ばしにして水を多めに薄く溶き、弱いコントラストで描き始める方のいかに多きことかと。
「出射の水彩」では、まず濃さ、強さのある色や筆致で描き、それを水筆で調整するという描き方、進行を目指します。それにより色彩彩度の高い、活き活きとした発色の水彩画を描くことが出来ます。

──たしかに、水彩を描いた時を思い出すと…失敗しないようにと薄く描き始めがちでしたし、そうすると硬い作品になりやすかったですね。では、最後にメッセージをお願いします!
水彩は特に、最初に何を習うかがとても肝心だと思います。
「正しいけれど弱い描き出し」よりも、「コントラストや色の表情の豊かさを感じられる強い描き出し」を覚えると、その後の絵画人生がより自由で活発なものになります。

──出射先生、ありがとうございました!

先生のおっしゃるキソとは、
自分の「表現」に重きを置いた基礎であり、今後も作品を生み出していく上でとても必要なこと
これから絵を始めたいという方から、経験者の方までお薦めの講座です。
皆様のご参加をお待ちしております!


出射茂先生による水彩画作品


出射茂先生による水彩画作品


出射茂先生による水彩画作品


出射茂先生による水彩画作品


出射茂先生による水彩画作品