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坂口先生にインタビュー【自由な発想が苦手!どうしたら良いですか?】

8月6日

抽象絵画に対して、みなさんはどのようなイメージがありますか?

今年の夏季特別講座にて「抽象(半抽象)」にスポットを当てた講座「写真から描く抽象表現」を担当される坂口竜太先生に、

『抽象って難しくてよくわからない。』
『自由な発想が苦手…。』 などなどの、

抽象絵画に対してちょっと気になってたことを、伺いました!


坂口竜太先生

手を動かすことでしか自由な発想は生まれない

──8月30日〜31日の「写真から描く抽象表現」講座はどのような授業ですか。
ざっくり言うと「下地作り」から始まり、その上にお持ちいただいた写真を重ねて描く流れになります。
下地は、抽象表現を取り入れるためにとても有効だと考えています。
意図しないマチエールから思わぬ効果が生まれます。そこから抽象化する糸口を掴んでいきます。
下地作りを経験することで、絵が劇的に変わる人もいますよ。
本講座では、2種類の下地をご紹介します。
実演とアドバイスをはさみながら授業を進めていきます。


通常講座で下地塗りの実演をする坂口先生


下地の完成

──抽象画について。抽象絵画は難しいと思ってしまいます。正直、よくわからない抽象絵画もあります。そういった絵画も理解しなくてはいけませんか??

難しいと思うのは、抽象絵画を具象絵画とは違うもの、特別なものと思っているからではないでしょうか?私は、作品を観る時に抽象、具象を区別して鑑賞していません。
そのような「わからない」という思いは、経験を積むごとになくなっていくのではないでしょうか。
好き嫌いなく様々な絵画を見たり、描いたり、時には画家の本を読んでみたり。わからない絵画があればそれについて調べてみたり。その経験が大切です。
一方で、私はその絵画の「わからなさ」も大きな魅力だと思います。
何を描いているか、何を表現しているか、メッセージは何か、それがわからない時、またその絵画が示す図像が判断できない時は、単純に色や形を愉しめば良いと思います。


通常講座、坂口先生クラスの授業風景

──なるほど。では抽象を描く時について。自由な発想が求められているような気がしますが、発想が苦手です。

発想もそうですが、自由に描くって難しいですよね。プロの画家は自由に描けていると、多くの方は思われるかも知れませんが、実際はそうでもありません。とても狭い範囲でマイナーチェンジして、表現を探っている人がほとんどだと思います。あと、絵画表現というものも、あまりに多彩で広いので、自由にやれと言われても途方にくれてしまいます。何かしらを基に、試行錯誤して生まれた絵画表現から新しい発想が生まれてくる。発想から絵画表現が生まれるのではなく、本当は逆なのです。
コンセプトは制作に先立つものではないと言われます。手を動かすことでしか自由な発想は生まれてこないと思います。

──身の引き締まる思いです!では、最後にメッセージを!

写真から描く抽象画(半抽象画)の講座は何度か行っていますが、今回はいつもと視点を変えたレクチャーを行う予定です。先程、プロの画家についての話が出ましたが…画家はどのように絵を描いているかなど、お話を出来たらと思っています。

抽象画は、画面のなかに曖昧な部分を残しておける分、隅々まで描かなくてはならないプレッシャーから解放されて描けるので、コツさえ掴めば意外と気楽に描けるようになりますよ!

──坂口先生、ありがとうございました!


坂口先生の作品


坂口先生の作品


坂口先生の作品

抽象を描いてみたいという、初心者から経験者の方までお薦めの講座です。
ぜひご参加ください。
夏季特別講座2019

⑮ 写真から描く抽象表現【夜間】
日  程:8月30日(金)〜31日(土)18:30〜21:00
講  師:坂口 竜太(日本の自然を描く展、第一次選考委員)
受 講 料:7,200円(税込)
定  員:20名
場  所:上野の森アートスクール (上野の森美術館別館3F)
持参用具:
抽 選 日:8/9(金)