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VOCA展2016

VOCA展とは

VOCA展では全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知の優れた才能を紹介していきます。今回は、33人の推薦者により32人の作家が出品いたします。

最新情報

開催概要

名称 VOCA展2016 現代美術の展望─新しい平面の作家たち
会場 上野の森美術館
会期 3/12(土)〜3/30(水)
休館 会期中無休
開館時間 午前10時~午後6時 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料 一般・大学生500円/高校生以下無料
相互割引 『FACE展2016』※の入場券提示で『VOCA展2016』の入館料100円引き
『VOCA展2016』の入場券提示で『FACE展2016』の入館料100円引き
※FACE展2016:東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(2016年2月20日(土)~3月27日(日)月曜休館)
主催 「VOCA展」実行委員会/公益財団法人日本美術協会・上野の森美術館
特別協賛 第一生命保険株式会社
お問合せ 03-3833-4191
VOCA展実行委員会
委員長 建畠 晢 (多摩美術大学学長)*
副委員長 本江邦夫 (多摩美術大学教授)*
畑中秀夫 (第一生命保険株式会社執行役員)
委員 笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)*
片岡真実 (森美術館チーフ・キュレーター)*
神谷幸江 (ジャパン・ソサエティー ギャラリー・ディレクター)*
島 敦彦 (愛知県美術館館長)*
佐賀奈穂 (第一生命保険株式会社DSR推進室次長)
釼持邦弘 (上野の森美術館事務局次長)
*は兼選考委員

受賞作品

受賞者による個展

第1回開催よりVOCA展の運営をサポートしている第一生命保険株式会社では、毎回VOCA賞、VOCA奨励賞受賞作品を所蔵し、本社1階にあるロビーでの展示、第一生命ギャラリー(東京都・有楽町)での定期的公開を行っているほか、全入賞者に対して、同ギャラリーを個展の開催場所として提供しています。

作家一覧

選考所感

選考委員長 建畠 晢(多摩美術大学学長)

受賞作のうち、VOCA賞の久門剛史の作品には時計やアルミ板が用いられ、奨励賞の鈴木のぞみ、佳作の佐竹真紀の作品も写真や写真をシャッフルした映像であって、いわゆる絵画とは異なった領域であったことは興味深い。もちろん出品作の大半は絵画作品であるが、そこでもかつてはほとんど具象であったのに比して、昨年あたりからは抽象的傾向が台頭してきている。VOCA展は推薦制でありながらも、結果的には時代の趨勢を直接的に反映する場となっているのである。

本江邦夫(多摩美術大学教授)

VOCA展はもともと「平面」(2次元)の表現可能性を深く広く探るために1990年代前半に、あえて「絵画」という呼称を外して出発した異色のこころみです。今回の入賞作品はいわゆる絵画の印象が希薄で、VOCA展の本質の一部をなすある種の前衛性が久しぶりに透けて見えるような気がします。「絵画」を巡るさまざまな問題―映像、時間、距離、運動、場所など―が前面に出てきて、絵画の、「無制限の制限」としての可能性をいまいちど問いかけるかのようです。

笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)

初見の印象は、例年より多様な作品が集まったのではないかということ、そして、いずれも完成度が高い、だった。事実、油彩、日本画、版画、写真、グラフィティ、映像インスタレーション、映像、彫刻的手法、刺繍等々、技法的には多彩であった。しかしそれでいて、全体に通じる空気感も醸し出されている。なぜだろうと何回も見る内に、「時間」をテーマにした作品が多いのだと気づいた。初回の投票でほぼ半数の作品に票が割れたのも、力作揃いだったことが伺えた。

片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)

描画力やスケール感が優先されがちな作品審査において、コンセプチュアルな作品がVOCA賞を受賞したことは、賞の今後に新たな可能性をもたらしたと考える。審査3年目にして最も票が割れたが、平面性の探求、素材や技法的試み、画題の選択、コンセプトの構築において、それぞれ評価に値するものがあった。欲を言えば、複雑に深化したグローバルな社会を見据えて、広い視野から自身の文脈を意識した作品とも出会いたかった。

神谷幸江(ジャパン・ソサエティ ギャラリー・ディレクター)

平面における表現はどんな可能性をはらんでいるか? VOCA展に通徹するこの問いを、今回の審査は改めて多角的にディスカッションすることができる場となった。アーティストが投げかける、多様なメディアによる表現―支持体に描かれた絵画であり、被写体を捉える写真であり、立体とせめぎ合う2次元表現であり、モニターという平面に現れる映像ら-は、平面性への批評と時間軸を加え再考を投げかける多層的な可能性がたっぷり溢れていた。

島 敦彦(愛知県美術館館長)

VOCA展が、絵画や版画だけでなく、写真や映像、あるいは分類不能な平面的な媒体が共存する場になって久しい。今回も異種混在状況は変わらず、受賞作にも反映された。VOCA賞の久門剛史は新たな知覚のありようを簡潔に提示し、奨励賞の鈴木のぞみと佳作の佐竹真紀は、時間と記憶にまつわる仕事で注目された。一方、奨励賞の谷原菜摘子は土俗的な濃密さを、佳作の大山エンリコイサムは落書きの構造を、それぞれ独自の絵画に結実させた。

関連イベント情報

シンポジウム「平面と時間」

日時 3月11日(金) 15:00〜17:00
場所 上野の森美術館
パネリスト 建畠晢(司会)、本江邦夫、笠原美智子、片岡真実、島敦彦、藤本由紀夫(アーティスト) ※敬称略
定員 150名(申し込み要)

<シンポジウムお申込み・お問合せ>

住所・氏名と、シンポジウム参加希望を明記のうえ、FAXまたはeメールにてお申し込みください。
定員となり次第、締め切らせていただきます。

申込み先 上野の森美術館「VOCA展」係
FAX:03-3833-4193 / eメール:voca2016@ueno-mori.org
※申込みの際に取得した個人情報は、申込み者への通知および予定変更等の連絡のみに使用いたします。
問合せ先電話番号 03-3833-4191 (上野の森美術館)

受賞作家によるアーティスト・トーク

受賞者が自作について語ります。(以下敬称略)

日程 3月12日(土) 15:00~16:00
谷原菜摘子(VOCA奨励賞)、佐竹真紀(佳作賞)
3月19日(土) 15:00~16:00
鈴木のぞみ(VOCA奨励賞)、大山 エンリコイサム(佳作賞)、尾﨑森平(大原美術館賞)
3月29日(火) 15:00~16:00
久門剛史(VOCA賞)
場所 上野の森美術館

※申込み不要。ただし、展覧会の入場券が必要です。

学芸員によるトーク

上野の森美術館学芸員が出品作品を紹介します。

日時 3月13日(日)、20日(日) 15:00〜16:00
場所 上野の森美術館

※申込み不要。ただし、展覧会の入場券が必要です。

「第一生命ギャラリー」展示スケジュール

最新の情報はこちら

museum start あいうえの 『あいうえの日和』

親子で楽しむ上野の森美術館 お気に入りの1点をみつけよう!

日時 2016年3月28日(月) 10:00~12:00

http://museum-start.jp/startpack#get

「museum start あいうえの」主催/東京都、東京都美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

同時開催
田中信行「イメージの皮膚」

日時 3月12日(土)〜30日(水) 10:00~18:00
場所 上野の森美術館ギャラリー

上野の森美術館の別館ギャラリーでは、VOCA展の会期に合わせ、同展覧会にゆかりのある作家の小企画展を開催します。今回は「VOCA展’95」出品者である田中信行さんの個展です。