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VOCA展2018

VOCA展とは

VOCA展では全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知の優れた才能を紹介していきます。

最新情報

開催概要

名称 VOCA展2018 現代美術の展望─新しい平面の作家たち
会場 上野の森美術館
会期 3月15日(木)〜3月30日(金)
休館 会期中無休
開館時間 午前10時─午後6時(入館は閉館の30分前まで)
チケット情報 入館料 一般600(500)円/大学生500(400)円/高校生以下無料
チケットぴあ、ローソンチケット、e+ [イープラス] 、主要プレイガイド・コンビニ店頭にてお求め下さい。
*入場券情報:http://sunrisetokyo.com/schedule/detail.cgi?id=1832
■チケットぴあサービス休止期間■
2018年1月2日(火)23:00 〜 1月5日(金)18:00(予定)
*前売券は、2017年12月15日から2018年3月14日まで販売。
*手数料がかかる場合があります。
*(  )は前売および20名以上の団体料金
*障害者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料(要証明)
「VOCA展」&「FACE展」
◆〈あちこチケット〉2枚セット券 1000円

「VOCA展2018」と「FACE展2018」(2月24日(土)~3月30日(金)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)がセットになったお得なチケット。


◆ 相互割引

「VOCA展2018」のチケットの半券で「FACE展 2018」の入場料が100円引となります。

主催 「VOCA展」実行委員会/公益財団法人日本美術協会・上野の森美術館
特別協賛 第一生命保険株式会社

受賞作品

  • VOCA賞 碓井 ゆい
    「our crazy red dots」

    糸、布
    135.0×205.0cm

  • VOCA奨励賞 藤井 俊治
    「快楽の薄膜」

    油彩・アクリル・水彩・アルミ箔・雲母・ジェッソ、綿布

  • VOCA奨励賞 山田 七菜子
    「磯」

    油彩、カンヴァス

  • 佳作賞 梅沢 和木
    「すべてを死るのも」

    アクリル・画像・ラメ・ペン他、パネル

  • 佳作賞 森本 愛子
    「唐草文様」

    天然顔料・天然染料・膠・金箔・銀箔、絹

  • 大原美術館賞 浦川 大志
    「風景と幽霊」

    アクリル・ジェッソ、綿布・パネル

VOCA賞受賞者 碓井ゆいさんのコメント

十数年前、通っていた高校の卒業式で「日の丸」を掲揚しない、ということがあり、その事柄は歴史や社会が多面的なものであるということを認識するひとつのきっかけになりました。
自分のものの見方を疑い、多様な立ち位置を知り自分の態度を決めること。手作業を通じてそれを繰り返すことが、ここ数年の自分の作品作りだと考えています。
この度は大きな賞をいただき、本当にありがとうございました。

推薦委員・中尾英恵氏のコメント(会場における本作品鑑賞のポイント)

多種多様な赤いドットを、不定形の布地をつなぎ合わせるクレイジーキルトの技法を用い、日の丸のイメージを解体、再構築することで現在における日の丸という国旗のあいまいな状況であったり、ナショナリズムが台頭する世界に等身大で向き合おうとする作品。
*クレイジーキルトは、ジャポニズムブームによって花開き、葛飾北斎の「氷割り梅模様」cracked ice=crazy を語源に持つと言われている

選考会の様子

2017年12月10日に実施されたVOCA展2018の選考会の様子をアップしました。

選考所感

島 敦彦(金沢21世紀美術館館長)

不定形の布を土台布に縫い付ける刺繍(クレイジーキルト)による旗状の作品《our crazy red dots》(碓井ゆい)が、VOCA賞となった。日の丸弁当、戦争画、企業のロゴ、捺印、ドット柄の布、パフォーマンスの写真など赤丸を含むあらゆる意匠が断片的に集合、愛らしいステッチによる分断と過剰な装飾が、同時代の批評たりえている。VOCA奨励賞は、山田七菜子の力強い絵画《磯》と藤井俊治の重層的かつ華やかな絵画《快楽の薄膜》に決まった。

光田由里(DIC川村記念美術館学芸マネジャー)

25周年を迎え各委員もかなり交替した。展覧会が軽やかに見えてきたのは、大作の油彩画が存在感を保持しつつも、多様なメディアと中庸なサイズの増加、デジタル的なものと物質的なものの混交がエマルジョンのように作用するためかもしれない。
各画面を満たしているのは、繊細な不穏さである。この不穏さは、砕け散りそうな予感、砕けたものが浮遊し転生する兆しとして描かれる。終末観を受け入れた後に底光りのように生じる、用心深いエネルギー。受賞作品のそうした要素をポジティブにとらえたい。

柳沢秀行(大原美術館学芸課長)

規定ぎりぎりの大型作品や、大小の画面を組み合わせ無理やり規定の面積を埋めようとする作品が減り、各作家がその表現にあわせて適切なサイズを選択してきた。またなにより各作家が見せようとする、いわばVisionが多様化したことは大いに歓迎すべきことだ。それだけ、異なる土俵にある作品を審査する難しさはあったが、強い批評性をもって社会と切り結ぶ碓井ゆいのVOCA賞はじめ、入賞作は出品作全体の多様性を反映した結果となった。

小勝禮子(美術史・美術批評)

VOCA賞の碓井ゆい氏の作品は、日常生活の中で使われるさまざまな布の端切れを素材として、白地に赤い玉(日の丸から水玉まで)という表象に込められた象徴的意味をクレイジーキルトの手法でちりばめたものであり、歴史から現代までの政治的含意にも富み、その鋭い批評性が高い評価を受けた。絵画の愉悦自体をメタ絵画的に取り込んだ藤井俊治氏(VOCA奨励賞)など、重層的な意味を持つ作品が多く、賞の選考に苦労した。震災を経験した後、何を描くのかという難題に真摯に向き合う若い作家が何人もいたことも特記しておきたい。

水沢 勉(神奈川県立近代美術館館長)

四半世紀という歴史を刻むVOCA展。私は第3回展に推薦者として東島毅氏を推した。幸いVOCA賞に選ばれた。全国の推薦者の眼が光り、そのまなざしを信頼し審査は当落ではなく、賞選定に限られている。今回のVOCA賞はキルトによる諷刺の毒を含んだもの。その他、典型的なペインタリーな表現や一見装飾的とみえる複雑なレイヤーの構造。あるいは、膠彩画の洗練やデジタルによる黙示録的表現。受賞作のみでも現時点での絵画の多様性を示せた。ひとえに長い歴史の賜物かと思う。

作家一覧

関連イベント情報

シンポジウム「何を想い、描くか?」

日時 3月14日(水) 15:00〜17:00
場所 上野の森美術館
モデレーター 島敦彦
パネリスト 光田由里、柳沢秀行、小勝禮子、水沢勉、やなぎみわ(美術家・演出家)、津上みゆき(画家) ※敬称略
定員 150名(要申込み)

<シンポジウムお申込み・お問合せ>

住所・氏名と、シンポジウム参加希望を明記のうえ、FAXまたはeメールにてお申し込みください。
定員となり次第、締め切らせていただきます。

申込み先 上野の森美術館「VOCA展」係
FAX:03-3833-4193 / eメール:voca2018_v@ueno-mori.org
※申込みの際に取得した個人情報は、申込み者への通知および予定変更等の連絡のみに使用いたします。
※メール受付は1月6日より行います。
問合せ先電話番号 03-3833-4191 (上野の森美術館)

受賞作家によるアーティスト・トーク

日程 3月15日(木)15:00〜
藤井俊治(VOCA奨励賞)
3月17日(土)15:00〜
山田七菜子(VOCA奨励賞)、浦川大志(大原美術館賞)
3月24日(土)15:00〜
碓井ゆい(VOCA賞)、梅沢和木(佳作賞)、森本愛子(佳作賞)
場所 上野の森美術館

※申込み不要。ただし、展覧会の入場券が必要です。

学芸員によるギャラリートーク

日時 3月18日(日)、25日(日) 15:00〜
場所 上野の森美術館

※申込み不要。ただし、展覧会の入場券が必要です。

同時開催 津上みゆき「時をみる」

日時 3月15日(木)〜30日(金) 10:00〜18:00
場所 上野の森美術館ギャラリー

上野の森美術館の別館ギャラリーでは、VOCA展の会期に合わせ、同展覧会にゆかりのある作家の小企画展を開催します。今回は「VOCA展2003」VOCA賞受賞者である津上みゆきさんの個展です。

「第一生命ギャラリー」展示スケジュール 

開館時間 8:00〜20:00(ロビー)、12:00~17:00(ギャラリー) ※土・日・祝日は休み
場所 東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命保険株式会社 日比谷本社ロビー
展覧会名 会期
VOCA展25周年記念 ALL VOCA賞 2018年3月1日(木)~4月27日(金)
武居功一郎 展 2018年6月18日(月)~7月13日(金)予定

Museum Start あいうえの「うえの!ふしぎ発見 ⑥コレクター部」
ミュージアムのコラボレーションプログラム:上野の森美術館×東京都美術館×東京藝術大学

若手アーティストの作品が並ぶ「VOCA展」でお気に入りの1点を見つけて、親子で楽しむ鑑賞ワークショップ。自分の“好き”の気持ちを大切に、お気に入りの1点を見つけてみよう。
きみや、きみの家族が作品を選ぶとしたら、どの作品を選ぶ?
どうしてその作品を選んだのか、話したり、聞いたりしてみよう。
ワークショップには上野の森美術館や東京都美術館の学芸員、また東京藝術大学の研究員、それにアート・コミュニケータ(愛称:とびラー)も参加します。

日時 2018年3月22日(木) 10:00~12:30
場所 上野の森美術館
対象 小学校1年生~高校3年生とその保護者
定員 対象のこどもとその保護者ペア15組30名(応募者多数の場合は抽選)
参加費 こども無料(保護者はVOCA展観覧料600円がかかります)
申込〆切 2018年2月18日(日)
申込方法 「Museum Startあいうえの」の申込フォームからお申し込みください。
ー申し込みは終了しましたー

※「うえの!ふしぎ発見」:9つの文化施設が集まる上野公園は、文化資源の宝庫!「うえの!ふしぎ発見」は、ミュージアムとミュージアムのコラボレーションを通じて、ふしぎやホンモノとの出会いを探求するプログラムです。