2013年6月13日
山崎朝雲(1867-1954)の「おゝ寒む」をご紹介します。
日本美術協会第二代総裁・有栖川宮威仁親王が明治天皇から拝領した木彫で、
現在、國學院大學の所蔵作品です。高さが70センチほどで、子どもがモチーフです。
今回もイラストでご紹介。画:村山之都
朝雲は、高村光雲の弟子で旧来の仏像彫刻にはなかった西洋的な写実性を求めた彫刻家です。
表面は木彫り特有の削りのあともあれば、なめらかな服のひだのリアルさもあり、なるほど、
動きもあってブルッとくるような寒さを感じる作品です。
まるで「早くシャツ来なさい、風邪ひきますよ!」とお母さんに言われていそうです。
思わず頬をゆるませてしまう作品です。