山口晃
撮影:森田兼次
写真提供:美術出版社
1969年東京生まれ。1996年、東京藝術大学大学院美術研究科修了。 1997年「こたつ派」展(ミヅマアートギャラリー)に参加し、一躍注目を集 める存在となる。2001年第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を 受賞。山口の描く絵は、時間と空間を横断した超現実主義の作品が持ち味で あり、昔風の建築透視図や屏風の作品が数多く描かれている。
建物は木造、客は江戸時代の民衆、売り場や店員の容貌は現代のデパートといったように過去と現代が入り交じった百貨店の透視図を描い た「百貨店圖」、絵巻物の物語性を彷彿とさせる大作「山愚痴諦抄ー尻 馬八艘飛之段ー」等、どの作品も巧みな描写を用い、過去と現在が同 居した視覚の面白さを生かしており、新旧あいまったなかで現代的な 作品へ昇華し、鑑賞者の眼を楽しませる。彼の時流に流されない一貫 した制作の姿勢は強い個性を持った作品を生み出し、現在、国内外で 高い評価をうけている。
近年では展覧会での発表のほかに読売新聞連載のドナルド・キーン氏に よる「私と20世紀のクロニクル」の挿絵・題字や槇原敬之氏のCDジャケッ トを担当するなど、幅広い制作活動を展開している。
Courtesy of Mizuma Art Gallery
©Akira Yamaguchi
四天王立像「廣目天」(2006)
カンヴァスに油彩、水彩、墨
194 × 97 cm
撮影:宮島径
Courtesy of Mizuma Art Gallery ©Akira Yamaguchi
東京圖 六本木昼図(2002)
紙にペン、水彩
40 × 63 cm
撮影:木奥恵三