第二回目は、学習院大学史料館の学芸員、長佐古美奈子さんをお迎えし、
「ボンボニエールと宮中饗宴」というタイトルで6月7日(金)に開催しました。
当展のメインでもあり、来館者に人気のボンボニエール(ボンボン入れ)と
銀食器のディナーセットを中心にお話いただきました。
宮中での慶事や祝宴で引き出物のようにして配られていたのが、この手のひらサイズの
ボンボニエールです。中には金平糖が入っていたのだそうです。
慶事や祝宴の度に配られるだけあって、種類も沢山あります。
兎、飛行機、鳥、トランク、地球儀、様々な形や細工が面白く、
お話を伺いながら、みなさんくい入るようにご覧になっていました。
ディナーセットの食器や銀器そしてグラス類には、一つ一つ有栖川宮家の菊の紋(三菊紋)
が付けられています。展示では2人分をセットしてお見せしています。
実際の宴ではその都度出されるグラスも、ここでは参考のために一度にセットしています。
セットの端のほうに一列に並べてある、動物やキューピットをかたどったものはピックスタンド、
いわゆる楊枝立てです。フルーツ等を刺すピックを立てておくものです。
とてもおかしなキャラクターがそろっているので、オリジナルポストカードにもなりました。
こちらもおすすめです。
作品の解説をするギャラリートーク。
今回の展示は美術館、博物館、大学などいろいろな所蔵館から借用しています。
展覧会の図録にも専門の方に論文を寄稿していただいていますが、
執筆陣の中から数名にお願いして、ギャラリートークが実現しました。
第一回目は、日本美術史を専門にされている東京藝術大学教授の佐藤道信先生。
5月31日(金)に開催しました。
今回のトークは、「日本美術協会の歴史と作品について」というタイトルで、日本美術協会
を紹介しているコーナーで行われました。
そもそもこの展覧会、「有栖川宮・高松宮ゆかりの名品」というタイトルですが、
「日本美術協会創立125年」というサブタイトルが付いているのにお気づきでしょうか。
日本美術協会は現在上野の森美術館の財団の名称なのですが、その前身は「龍池会」という
名称でスタートした日本初の美術団体だったということや、初代総裁が有栖川宮熾仁親王で
あったことなど、実際に作品を見ながら歴史をひもとくようにお話いただきました。
なるほど、トークを聞いて展覧会タイトルをナットーク。
予定時間は40分ほどでしたが1時間近くノンストップで参加者をひきこんでいただきました。
次回は、当展の目玉のひとつ、ボンボニエールのお話です。
普段はおいしいコーヒーが人気のカフェですが会期中は抹茶と季節の上生菓子が
いただけます。こんな感じに中庭をみながら一服どうぞ。
上生菓子は源 吉兆庵から。控えめで上品なお菓子にため息がでそうです。
お茶はお薄の特訓をうけたスタッフが一生懸命「おいしくな〜れ」といってお茶を
点てています。
お茶の販売もしています。ご自宅でも一服、おすすめしますよ〜。