展示品ではありません。今回は展覧会前の余談で。
去年の夏から、当館では「ツタンカーメン展」を開催していましたが、
同時に「有栖川宮高松宮ゆかりの名品」展の準備を行って来ました。
写真はスタッフの健康を祈願して近所の五條天神社でいただいた絵馬です。
菅原道真公が乗って現れた牛だそうです。
上野公園側から入って行く境内は、花園神社の赤い鳥居が立ち並び幻想的です。
花園神社と五條天神、二つの神社が建ち並ぶチョット入り組んだ不思議空間にあります。
展覧会の帰り道、上野公園を散策してみるのもひとつの楽しみ方かもしれません。
展覧会の図録を販売しています。
展示の作品のリストと、作品の解説を収録した冊子が付いて2,000円です。
実は、作品のリスト&解説を収録している冊子は今日できたばかり。
できたてホヤホヤです。
これで、また充実した展覧会の思い出になりますね。
作者は高村光雲。『智恵子抄』で知られる高村光太郎のお父さんです。
光雲は仏師として身を起こしたため、明治維新後は廃仏毀釈で厳しい時代を過ごしました。
その後、岡倉天心に乞われて東京美術学校の教師となり彫刻家として活躍しました。
上野公園のランドマーク・西郷隆盛像の木造原型を制作したことでも知られています。
日本美術協会の展覧会にも何度も出品していて、ある時、売約先が決まっていた木彫
の《矮鶏(チャボ)》が明治天皇の眼に留まって買い上げとなり、後日つがいとなる雌鶏
を制作して献上したというたというエピソードがあります。
展示の作品は、三の丸尚蔵館所蔵の「文使」です。
古代風の服装をした青年が重要な文書を入れた柳筥(やないばこ)を捧げ持つ場面です。画:村山之都
明治33年の皇太子同妃両殿下(大正天皇・貞明皇后)御成婚の際の献上品で、柳筥の中には、
皇太子妃の年齢と同じ17枚の切手を入れて献上されたそうです。
*展示作品の中には、切手は入っていませんよ。